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  • 2008.02.25 Monday
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凡人から天才が出来るまでが、余すところなく!! 『走ることについて語るときに僕の語ること』

評価:
村上 春樹
文藝春秋
¥ 1,500
(2007-10-12)
Amazonランキング: 51位
Amazonおすすめ度:
自分の墓碑銘に何を刻まれたいか?
また走る意欲がわいてきました。
走りながら村上春樹は考えた
 村上春樹を初めて読んだのは、25過ぎてから。とりあえず、一番有名な『ノルウェイの森』でも読んでみようかと。病み上がりで、すごい中途半端だったんだ、入院するほどでもなく、かといって、働けるほど元気じゃなく・・・。そんなグテグテしてた時期に、春樹との出会いは衝撃でしたなあ、はい。日本の文学と言えば宮沢賢治かな、とかその程度のわたしが、『ノルウェイの森』なんて読んで御覧なさいな、もう「なんじゃこりゃーーー」(←松田優作風)ですよ。それから1月ほどですかね、なんか憑かれたように読みまくったもんです、読み漁ったもんです、春樹の作品群を。しみじみ。

 で、この人、小説はもう圧倒的にすごくて、それはいづれ作品ごとに紹介していけたらいいなあと思うんだけど、才人と言うのはその思考回路や生活スタイルなんかもやっぱり個性的で、故にエッセイなんかもすごくおもしろいんですな。春樹氏ももちろんその例に漏れず。。。そんなわけで、春樹氏の最近のエッセイを読んだ感想などを、はい。

 タイトルからお分かりの通り、この人、ジョガー(←ジョギングする人のこと。)なんです、それもかなり本格的な。小説家ってぇと、なんか、インドア派な感じじゃないですか、イメージが。でもこの人、フルマラソンとかトライアスロンとかもやっちゃうわけ。小説家ってぇと、自堕落な感じじゃないですか、イメージが。太宰治みたいな。でも、この人、「今月は○○キロ走る」って決めて、それを忠実に実行したりして、プロのアスリート並に、自分に負荷を科し、日々鍛えているわけです。ストイックなわけです。
つまり本作、従来の小説家のイメージをぶち壊すエッセイといえましょう。  

 興味深いのは、ジョガーになる過程、そしてなってからの生活に、彼の生い立ちから小説家としてのデビュー、さらには現在の作家としての生活まで、プライベートをかなり濃厚に絡めて綴られていることです。春樹小説を読んで、「どうしたらこんな天才ができるんだろ?」なんて思っていたわたしは、「へえーーー!」って感じですな。だって、これ読んで、
春樹さん天才じゃないってわかったんだもん
つまり、彼が言うには、私的要約なんだけど、「長編小説を書くというのは、つまり長距離を走るのと同じこと。僕は天才じゃないので、限られた才能(体力)を、補強していかなければならない。その”補強”とは、つまり、”走り込む”ことなのだ。」ということでしょうか。これは、謙遜とかではなくて、本当に、魂から、実感として、湧き出る言葉なんでしょうね。

 まさに、努力に優る天才無しですな。やっぱり、どんな才能があっても、コツコツ努力してる人には、ぜーーーーーーーったいかなわない。中途半端に才能あっても、努力をせずに、その才能を適当に撒き散らして終わっちゃうからね、逆に怖いよ。大切なのは、己が凡人たることの自覚と、そして弛まぬ努力ですな。そんな大事なことを、すごーく分りやすく、気取らずに綴ってある、すんばらしいエッセイです。小説においてもそうなんだけど、すっごい心に響くこととか、すっごい奥の深いこととか、すっごい難しいことを、いともわかりやすい言葉でさらっと書けてしまうのが、この人のすごいところでもあります。これも、”凡人の天才”だから成せる技でしょうか。

 全体として決しておもしろおかしいタッチではありませんが、随所に絶妙な言い回しが鏤められており、おもわず「ぷっ」となるのが、小説では出逢えない、春樹の味です。運動量とその成果、みたいな話を淡々と綴っておいて、突然筋肉を擬人化してしゃべらせますからね、笑えます。因みに彼は神戸の出身ですから、お笑いセンスみたいなのは、もう染み付いてるんでしょうね、実のところ。そんなお茶目な一面にも出逢える、おすすめの一冊ですよ〜。


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